「二級建築士は独学でも合格できるの?」これから勉強を始めようとしている人なら、一度は考えることではないでしょうか。私は二級建築士の学科試験については学校に通わず、独学で勉強して一度で合格しました。
その後、一級建築士にも合格しています。今振り返ってみても、二級建築士の勉強で大切だったのは、特別な勉強法ではありません。過去問を繰り返すこと、そして勉強を生活の中に組み込んでしまうこと。これが一番大きかったと思います。
この記事では、私が実際に二級建築士に合格したときにやっていた勉強方法を紹介します。
私は特別に勉強ができたわけではありません
まず、当時の私の経歴です。高校は建築科、専門学校は中央工学校の建築設計科、就職先は構造設計事務所でした。建築については勉強していましたが、高校でも専門学校でも特別成績が良かったわけではありません。ごく普通です。
そんな私が二級建築士を受験しようと思ったきっかけは、医師の先輩から言われた一言でした。「二級建築士、持ってるのか?」と聞かれ、私は「3年後に一級建築士を受験するので、今取っても意味がないんです」と答えました。
すると先輩から、**「今、努力できない奴が3年後に努力できるのか?」**と言われました。これがかなり刺さりました。「確かにその通りだな」と思い、二級建築士を取ることを決めました。
二級建築士の学科は独学でも合格できる
私の場合、学科試験については日建学院や総合資格などの資格学校には通いませんでした。基本的にやったことは、**過去問題をひたすら繰り返す。**これです。
建築計画・建築法規・建築構造・建築施工の4科目について、解答だけではなく「なぜその答えになるのか」という解説がしっかり書かれている過去問題集を選びました。また、4科目を分けて持ち歩ける問題集を使い、いつでも勉強できるようにしていました。
同じ問題集ばかりでは飽きるので、一問一答形式の参考書も併用していました。私の場合は、過去問題を5回程度繰り返しました。
最初から全部覚えようとはしません。分からない問題があっても、とにかく先に進みます。そして2回目、3回目、4回目と繰り返していく。すると、「これ前にも間違えたな」という問題が分かるようになってきます。
過去問は「問題を解く」から「読み物」に変わっていく
過去問を何度も繰り返していると、ある時から感覚が変わってきます。「この問題、知ってる」「ここ、語尾が違うんだよね」「この言い回しなら×だな」ということが自然と分かるようになってきます。
私の場合、「問題が解けるようになった」というより、問題集そのものを読み物として読めるようになったという感覚に近かったです。問題文を読んでいる途中で、「ああ、この問題ね」と分かるようになります。
さらに繰り返していると、「ここを変えて引っ掛けてくるんだよね」というところまで見えてきます。だから私は、最初から効率の良い勉強方法を探す必要はないと思っています。
まずは繰り返す。**量をこなした先に、結果として効率がついてくる。**これが私の二級建築士の勉強法でした。
問題集にはどんどん書き込む
問題集は、きれいに使う必要はないと思っています。私は問題を解きながら、「ここが分からない」「また間違えた!」「これは覚えた」「後で調べる」など、そのとき思ったことまで問題集に書き込んでいました。
単純にマーカーを引くだけではありません。自分の感情まで書いてしまいます。すると次にそのページを開いたとき、「あ、この問題!」と思い出すことがあります。
過去問題を何度も繰り返すので、以前書いた自分のメモと現在の記憶がつながっていきます。私には、この方法がとても合っていました。
勉強する場所を一つに決めない
資格の勉強というと、「今日は家に帰ったら2時間勉強しよう」と考えがちです。でも仕事をしていると、これが意外と難しい。家に帰れば疲れていますし、テレビもあります。ちょっと休憩するつもりが、そのまま寝てしまうこともあります。
そこで私は、**家だけを勉強場所にしませんでした。**当時は池袋の会社に勤務していたので、仕事が終わると電車に乗って勉強していました。
池袋から新宿へ行き、そこから大宮、大宮から川口へ。わざわざ電車に乗って問題集を解いていました。山手線を一周しながら勉強したこともあります。
サンシャイン60の店舗内のベンチで1時間ほど勉強したこともありました。今考えると、かなり変わったことをしています(笑)。でも、これが良かった。
「家に帰ったら勉強する」ではなく、**「どこでも勉強できる状態にしておく」**ということです。仕事をしながら二級建築士を目指す人には、特におすすめしたい方法です。
私がやっていた「独り言勉強法」
もう一つ、私がやっていたのが「独り言勉強法」です。問題を黙って解くのではなく、「これは○○だから×だな」「こっちは最後の部分が違うから×」「あぶない、ここ引っ掛けだ」というように、ブツブツ言いながら問題を解きます。
目で読むだけではなく、自分で考えて、それを声に出して、自分の耳でも聞く。私の場合は、この方が記憶に残りました。
さらに、その独り言を録音して、ちょっとした時間に聞いていました。今ならスマートフォンで簡単にできますが、私が受験した頃はカセットテープです。何年前だよ!という話ですね(笑)。
お風呂や寝る前など、問題集を開けない時間にも自分の声を聞く。効率が良いかどうかは人によると思いますが、私はかなり活用しました。
同じ方法が宅建では通用しなかった
ちなみに、同じ勉強方法がどんな資格にも通用するわけではありませんでした。私は二級建築士の過去問を繰り返しているうちに、問題集を「問題」としてではなく、読み物のように読めるようになりました。
「この問題知ってる」「ここ、語尾が違うんだよね」。そんな感じで読んでいると、答えが自然と分かるようになってきます。
ところが、宅建の勉強ではこの感覚になりませんでした。私にとって宅建の問題集は、何度読んでも「読み物」にならないのです。だから宅建の勉強は、どうも自分には合わない。
これは頭の良し悪しではなく、資格と自分の思考方法との相性もあるのだと思います。「この勉強法が一番効率的」と言われても、全員に当てはまるとは限りません。
私の場合は、まず量をこなし、問題集を読み物のように感じられるところまで繰り返す。それが二級建築士では、とても相性の良い勉強法でした。
学科は独学でも、製図は学校をおすすめします
ここまで「独学で合格した」と書いてきましたが、製図試験については少し考え方が違います。製図については、日建学院や総合資格などで学ぶことをおすすめします。
普段から設計や図面の仕事をしている人ほど、「図面なら仕事で毎日描いているから大丈夫」と思うかもしれません。しかし、仕事で描く図面と「試験に合格するための図面」は別物です。
実際、私の友人にも図面をきれいに仕上げることにこだわっていた人がいました。玄関タイルや廊下のフローリングまで丁寧に描いて、「きれいに描けた」と喜んでいたのですが、結果は不合格でした。
試験で必要なのは芸術作品ではありません。決められた時間の中で、採点されるポイントを落とさず、合格できる図面を完成させること。
そのため製図については、試験を熟知している人から「何を書くべきか」「何を書かなくていいのか」を教えてもらった方が効率的だと思います。
「やめたい」と思わなかった理由は、ご褒美だった?
資格試験の体験談では、「何度も挫折しそうになりました」という話がよくあります。でも私の場合、あまり「もうやめよう」と思った記憶がありません。
理由は単純です。二級建築士に合格したら、きっかけを作ってくれた先輩からご褒美をもらえると思っていたからです(笑)。
問題集の表紙にも、**「二級建築士を取って先輩に認めてもらう!」**と書いていました。今考えれば、資格を取る理由なんて最初はそんなものでいいのかもしれません。
欲しいものがある。誰かに認めてもらいたい。給料を上げたい。理由は何でもいいと思います。それで勉強を続けられるなら、十分な理由です。
二級建築士に合格したことが、その後の人生につながった
二級建築士に合格したことで、私は少し自分に自信を持てるようになりました。そして、その後の転職活動では思わぬことが起きました。
本来は「大卒以上」という応募条件だった会社に、二級建築士を持っていたことで特例として採用してもらうことができたのです。そして、その会社で経験を積み、その後、一級建築士にも合格することができました。
振り返ってみれば、「3年後に一級建築士を取るから、二級建築士は必要ない」と言っていた私に、**「今、努力できない奴が3年後に努力できるのか?」**と言ってくれた先輩の一言が、人生を変えるきっかけになったのかもしれません。
今の自分が当時の自分に言うなら「まずは量」
今では一級建築士になりました。そんな今の自分が、二級建築士の勉強を始めた頃の自分に一言だけ言うとしたら、**「まずは量。効率なんてないよ」**と言います。
勉強を始めると、「効率の良い勉強法」「最短で合格する方法」を探したくなります。でも、まだ何も分かっていない段階では、何が自分にとって効率的なのかすら分かりません。
まず問題を解く。間違える。解説を読む。そして、また解く。それを繰り返しているうちに、「ここはもう覚えた」「ここは毎回間違える」ということが分かってきます。
そこで初めて、自分なりの効率の良い勉強方法ができてきます。だから順番は、**効率を考えてから量をこなすのではなく、量をこなした結果、効率が良くなる。**私はそう思っています。
まとめ|二級建築士の独学で大切なのは、まず量
私が二級建築士に合格するためにやったことは、特別なものではありません。過去問題を何度も解く。分からないところは解説を読む。問題集にはどんどん書き込む。
電車や空き時間も使う。声に出して覚える。そして、なぜ資格を取りたいのかを忘れない。結局は、この繰り返しでした。
現在、一級建築士になって振り返っても、「すごい勉強方法」を探すことより、普通の勉強をどれだけ続けられるかの方が大切だったと思います。
まずは量。効率なんてない。
量をこなしていけば、そのうち問題集が読み物のようになってきます。「この問題知ってる」「ここが違うんだよね」。そんなふうに自然と答えが見えてくるようになります。
二級建築士を独学で目指している方は、効率の良い勉強法を探し続けるより、まず問題集を開いてみてください。1問、10問、100問。繰り返した先に、自分に合った勉強法が見つかると思います。
この記事を書いた人:せんちゃん
一級建築士・風水研究家。建築業界で約32年、住宅の設計やリフォーム、現場管理に携わっています。建築の現実と暮らしやすさを大切にした風水を発信しています。


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